可視光を遮断し近赤外線を透過させる撮影用フィルターです。Hα領域の撮影や、惑星撮像時にL画像と入れ替える撮影方法を行うことでコントラストを向上させる目的などに使用できます。波長の長い近赤外線を用いることで大気の揺らぎによる乱れを抑えたシャープな像を得ることができ、月面や火星などの撮影時に威力を発揮します。640nm、720nm、800nm以上の近赤外線を透過させる3種類をご用意しています。使用目的に合わせてお選びください。

基板には合成石英ガラスを採用しています。強度・耐熱性に優れ、コーティング時の歪みが小さく抑えられることで蒸着の安定性と面精度に優れています。高い倍率での惑星撮影時でもフィルターによる像の悪化が最小限に抑えられ、安定した観測を実現しています。取り付け規格は惑星向けCMOSカメラ等で多く採用されている31.7mm用なので様々なカメラへの取り付けに対応します。
（IR 640 PRO II のみ31.7ｍｍ用と48ｍｍ用がお選びいただけます）

※IR 640 PROIIのアメリカンサイズについては枠設計を見直し、有効口径が25.5mmと従来モデルに比べて2mm大きくなりケラレが発生しにくくなりました。


使用例



ご注意
望遠鏡やレンズによっては取付けできない場合があります。光線の入射角度に依存性があるため望遠レンズや望遠鏡との併用をお勧めします。広角レンズで使用した場合は画面に明るさやカラーバランスのムラが生じる可能性があります。撮影後は市販の画像処理ソフトを使用してカラーバランス等を調整してください。IRカットフィルターを内蔵しているカメラでの使用には適していません。鏡筒・レンズによっては赤外域の収差補正が十分ではない場合があります。

　【フィルターの規格（呼称）と互換性について】　

・「31.7mmフィルター」,「1.25"（インチ）フィルター」 は基本的に互換性があります。
これらはフィルターの外径が31.7mm(1.25")で、取り付けのオスネジが直径28.5-28.6mmほどです。

・「48mmフィルター」,「2"（インチ）フィルター」,「50.8mmフィルター」 は基本的に互換性があります。
これらはフィルターの外径が50.8mm(2")で、取り付けのオスネジが直径48mmほどです。

※上で互換性があるとしたグループ内の製品どうしでも、組み合わせによっては途中までねじ込んだところで止まってしまうこともあります。その場合はフィルターが自重で外れてしまうことが無ければ実用上の問題はございませんので、そのままご使用いただいて大丈夫です。こうした相性については、ご不安でしたらご購入前にお問い合わせいただければ安心です。

※「Φ31mm」「Φ50.8mm」「枠なし」のような表記のものは、フィルター枠が無くフィルターのガラス部分だけのモデルを指します。単体ではねじ込み接続できませんのでご注意ください。