赤い星雲として撮影される輝線星雲から放射されているHα輝線の波長付近のみを選択的に透過させるフィルターです。1.25"用(M28.6)と2インチ用(M48)の2種類をご用意しています。7nmの狭い半値幅で透過するため高いコントラストでの撮影が可能です。上画像は2インチ用。
Hα輝線は波長656.28nmの輝線で、電離した水素原子から放射される輝線の一つです。この波長を含む狭い範囲を最大約90%通し、他の波長は遮断することで高いコントラストで星雲を撮影することができます。町や月が明るい状況でもその影響を大幅に軽減できるため、よく晴れていれば星雲の撮影を行うことができます。改造デジタル一眼カメラなどのワンショットカラーカメラやモノクロCMOSカメラ等での撮影に適しています。
※露出時間は長くかかります。Hα輝線を放出している星雲以外の撮影には適していません。フィルター前面側はガラス保持リングが入っている為他のフィルターを取り付けることができません。
<作例>
冷却CMOSカメラ
勾玉星雲
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FS-60CB + MFL + ZWO ASI294MM Pro + Optolong Ha7nm
Gain=120(Unity) -15° 5分×80枚
トーンカーブ調整のみ
オリオン大星雲(広角)
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FS-60CB + MFL + ZWO ASI294MM Pro + Optolong Ha7nm
Gain=120(Unity) -15° 1分×61枚
トーンカーブ調整のみ
ばら星雲
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FS-60CB + MFL + ZWO ASI294MM Pro + Optolong Ha7nm
Gain=120(Unity) -15° 5分×64枚
トーンカーブ調整のみ
コーン星雲
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FS-60CB + MFL + ZWO ASI294MM Pro + Optolong Ha7nm
Gain=120(Unity) -15° 5分×93枚
トーンカーブ調整のみ
オリオン大星雲(アップ)
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M-180C + FLRD + ZWO ASI294MM Pro + Optolong Ha7nm
Gain=120(Unity) -15° 5分×28枚
トーンカーブ調整のみ
改造デジタル一眼カメラ
EOS6D(改造)での作例1
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EOS6D(改造)での作例2
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横浜市の町明かりの影響下で撮影されたものです。肉眼では明るい星だけが確認できるような環境ですが、このフィルターを用いることで上画像のような画像が得られます。ダークフレーム等の処理を高精度に行え、Hα輝線に対して高い感度を持つ冷却CMOSカメラでの撮影が理想的ですが、デジタル一眼カメラでも改造機であればHα輝線をある程度透過できるようになるため撮影に使用できます。最近では撮影やコンポジット等の画像処理が自動で行なえるようになり、予め設定しておけば手間がかかる作業が寝ている間に完了するため手軽に撮影を楽しむこともできます。